用語・記号 |
解 説 |
Auftakt |
・<独:アウフタクト>
・弱起。 メロディや曲が弱拍や拍の裏から始まること、またはその音符。 |
B.F.
B.O. |
・日本の作曲家がよく使う、ヴォカリーズ<vocalese:母音唱>の表記の一つ。
・B.F.:所謂「humming」のことで、フランス語の<bouche
fermee:ブッシュ
フェルメ>
「口を閉じて」の意。
・B.O.:同じくフランス語の<bouche
ouvrertes:ブッシュ
ウーヴェルテス>
「口を開けて」の意で、ハミングしていた口を開いた口で、という意味。
・何故こんなフランス語で表記するのかさっぱしわかりませんが、一説によると、
作曲者がただ格好つけてるだけ、ということのようです。 |
倍音 |
・倍音(ばいおん)とは、楽音において、周波数が基音に対して2以上の整数倍になって
いる音。 1倍である音(元の音)を基音(きおん)という。
・正弦波の音を純音というが(音叉、聴力検査音など)、楽音は複数の倍音で構成され
含まれる倍音の組み合わせによって音色が変わる。
・基音に対する倍音は、概念的には(正確ではない)下記の例と理解すると良い。
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・拍子記号(=4/4、=2/2)
・なぜCは4/4で、これに縦棒を引いた記号が2/2か?
これは、キリスト教と深く関わっていて、キリスト教における三位一体の教義に基づいて
3を完全な数としている。この考えが音楽にも関わっていて、中世の記譜法である定量
記譜法では、三拍子系を完全テンプス、二拍子系を不完全テンプスと呼び表すという、
三拍子を完全なものとする考え方があった。
完全な拍子である三拍子を表す記号として、完全なかたちの「○」が使われた。
完全な三拍子に対し不完全である四拍子は、○を縦に二つに割った記号で表され、
二拍子は四拍子の倍の速さということから、その意味で縦棒を加えられた。
つまり、○の半分がのちにCになり、それに倍の速さという意味を持つ縦棒がついて
C+|ができた。○はルネサンスからバロックくらいまで使われていたようだが、現在
では使わない。 |
ca. |
・演奏速度指示記号で、=60ca. のようにメトロノーム速度記号に使われる。
・<伊circa(チルカ)>の略で、「約」「およそ」の意。 |
Cadenza |
・<伊:カデンツァ>
《cadenza di
bravura(カデンツァ・ディ・ブラヴーラ)、cadenza
fioritura(カデンツァ・
フィオリトゥーラ)の略。終止(形)のまえに挿入される演奏困難な無伴奏の部分》
・即ち、楽曲の終結部直前に挿入されるソリストの即興部分。協奏曲に多く見られるが、
声楽曲や器楽独奏曲などにもその演奏が指示されることがある。どちらにおいても、
奏者の名人芸が発揮される演奏の見せ場である。
・演奏内容は本来奏者の閃きに任されるべきものであるが、曲の統一感が無くなるのを
嫌った作曲者本人によって予め用意されることも多い。またモーツァルトの協奏曲など
、作曲者の自演を目的として書かれた作品には、自作のものが残されることが多い。
・曲がこれでおしまい、という寸前にちょっと立ち止まって「まだっ、まだまだっ」「これでも
かっ」と手練手管を駆使してウケを狙うコーナー、ちょっと拡大解釈して<何でもありの
コーナー>である。 |
ガラ・コンサート |
・gala
concert
・何かを記念して特別に行われる音楽会。
・特別公演、祝賀音楽会。 「ガラ」は祭礼・祝祭の意。 |
Glissando
と
Portament |
・この二つの意味は、しばしば混同されて使われ、解釈がまちまちである。
・Glissando(グリッサンド)<伊>
ハープやバイオリンなどの弦楽器で、割りに広い音域を急速に滑るように奏する方法。
滑奏。 音階を滑るように演奏すること。
・Portament(ポルタメント)<伊>
一つの音から次の音への接ぎ目を極めて滑らかに歌い、または奏すること。
ある音から他の音に移る際、音高を連続的にずらしながら移行する奏法。また、唱法。
・上記2つまたはこれらに類する幾つかの辞典の定義から、筆者は次の解釈に到達した。
即ち、「グリッサンド」は半音階などの離散的な音を奏する楽器において、音階を滑るよう
に連続的に奏する方法。
これに対して「ポルタメント」は、人の声や楽器のバイオリンやトロンボーンなどのように
連続的な音を奏することが出来る声や楽器において、音高を連続的に移行して奏する
方法。 |
M.C. |
・Master of
Ceremonies(マスター・オブ・セレモニー)
・音楽とは無関係だが、司会者又はコンサートなどの曲間のトーク。 |
N.C. |
・No Cords(ノー・コード) 【音】伴奏は休み、の意。 |
Pf |
・ピアノは、1709年にイタリアのクリストフォリによって発明された。
・17、8世紀ごろはチェンバロやクラヴィコードといった楽器が使用されていたが、
これらは鍵盤を押すことによって爪が弦をはじく仕組みになっているものでした
が、ピアノのように7オクターブもの音域を持たず、また音の大きさも小さいもの
であった。
・クリストフォリは、ハンマーが弦をたたくという構造の新しい楽器を発明した。
・この楽器は「強弱をつけられるチェンバロ」と名づけられ、音楽の世界で弱く演奏
することをピアノといい、強く演奏することをフォルテということから「ピアノフォルテ」
と呼ばれるようになった。
・よくコンサートでピアニストの名前の横についている「Pf」とは
このピアノフォルテを省略したものである。 |
速度標語
と目安速度 |
・Grabe:荘重に遅く → 四分音符≒40
・Largo:幅広く遅く → 〃≒46
・Lento:遅く、ゆるやかに → 〃≒52
・Larghetto:やや幅広く遅く → 〃≒58
・Adagio:静かに遅く → 〃≒63
・Adagietto:やや静かに遅く → 〃≒66
・Andante:ゆるやかに、歩く速さで → 〃≒72
・Andantino:ややゆるやかに → 〃≒80
・Maestoso:威厳を持って、荘厳に → ≒88 ・・・・・・発想標語
・Moderato:中くらいの速さで → 〃≒96
・Allegretto:やや快速に → 〃≒108
・Animato:生き生きと活気をもって →≒120 ・・・・・・発想標語
・Allegro:軽快に、快速に → 〃≒132
・Vivace:快活に、生き生きと → 〃≒160
・Presto:速く、急いで → 〃≒184
・Prestissimo:極めて速く → 〃≒208 |